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【建設業許可】許可を取得するための6つの要件とは?

 はじめて建設業許可を取得する場合は、「どんな要件があるのか?」「すぐに取得できるのか?」など気になる点がいくつかあるかと思います。

 この記事では、建設業許可を取得するための要件について解説していきます。

 これから説明する許可の要件を満たした上で、必要な書類を用意して役所に要件の証明をすることができれば、建設業許可を取得することができます。

 それでは、さっそくみていきましょう。

建設業許可取得の6つの要件

建設業許可を取得するためには、次の6つの要件を満たしていることが必要です。

  • 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること
  • 営業所ごとに専任技術者(専技)を配置していること
  • 請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  • 適切な社会保険に加入(届出)していること
  • 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

  • 許可申請者や役員等が建設業法に定める欠格要件に該当していないこと

1 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること

(建設業法第7条1号、第15条1号)

 建設業許可では、常勤役員等の体制が、経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準を満たしていることが必要です。
 令和2年(2020年)10月に改正された建設業法により、従来までの経営業務管理責任者(経管)の要件がこれにかわりました。

 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力とは、建設業における経営経験が一定年数あれば満たすことができます。

経営業務の管理を適正に行うに足りる能力が必要な理由は?

 どうして、このような経営経験の有無が許可の要件とされているのでしょうか?

 建設業法の目的では、「建設工事の適正な施工を確保すること」と「発注者を保護する」ということが定められています。

建設業法 第1条(目的)
この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発展を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

 建設業の経営をしたことにある人がいない状態で、建設業許可が必要な大きな金額の建設工事を請け負ってしまうと、資金繰りが上手くいかず倒産して、発注者に重大な影響が出てしまうおそれなどがあるため、建設業の一定年数の経営経験が求められていると考えられます。

経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するもの

 建設業法では、以下のように「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するもの」と書かれています。

建設業法 第七条(許可の基準)
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。

 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものの国土交通省令で定める基準については、以下のとおりです。

(法第七条第一号の基準)
第七条 法第七条第一号の国土交通省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 次のいずれかに該当するものであること。
イ 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
(1)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

経営業務の管理を適正に行うに足りる能力の要件

  • 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
常勤役員等とは?

 ここでいう常勤役員等とは、法人であれば取締役などの役員として登記されている人、個人であれば個人事業主本人または支配人として登記されている人のことです。従業員は、経営業務の管理責任者(経管)になることはできません。

法人 取締役などの役員として登記されている人
個人 個人事業主本人または支配人として登記されている人

 ※従業員は、経営業務の管理責任者(経管)にはなれません。

 経営業務の管理責任者(経管)は、常勤である必要があります。そのため、会社の取締役(役員)であったとしても、非常勤である場合には経営業務の管理責任者(経管)になることはできません。

 そのため、例えば、A会社とB会社で経営業務の管理責任者(経管)を兼務するということもあり得ないということになります。

 また、常勤であるため、経営業務の管理責任者(経管)の住所地は、主たる営業所から通うことのできる距離であったり、法人などで社会保険の加入義務がある場合は、事業所名が入った健康保険被保険者証があったり、必然的に常勤性の証明も可能となるはずです。

建設業の経営経験が5年以上あること

 建設業に関する経営経験が5年以上必要となります。建設業に関する経営経験であれば、業種は問いません。

 例えば、建築一式工事業の許可を取得したい場合であっても、塗装工事業2年、内装仕上工事業3年で通算して5年の経験があれば、経営業務の管理責任者(経管)の要件を満たすことができます。

 ただし、草刈や除排雪業務、設備関係の保守、点検のみの業務など、建設業には当たらず、経験年数にはカウントされないので注意が必要です。

補足

 経営業務の管理責任者(経管)に準ずる地位として、経営業務を管理した経験や経営業務管理責任者(経管)を補佐する業務に従事した経験により要件を満たす場合もありますが、圧倒的に上記2点のポイントをおさえた建設業許可申請が多いです。

2 専任技術者(専技)を配置していること

(建設業法第7条2号、第15条2号)

 建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するため、建設工事について、専門知識を有する専任技術者(専技)を営業所ごとに配置する必要があります。

建設業法 第七条第二号(許可の基準)
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
二 その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法による大学若しくは高等専門学校を卒業した後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者

 専任技術者(専技)は、次の3つの要件のいずれかを満たしている必要があります。

専任技術者(専技)の要件

  • 取得したい建設業の許可業種に応じた「学歴」と「一定期間以上の実務経験」を有すること
  • 取得したい建設業の許可業種について、「10年以上」の実務経験を有すること
  • 取得したい建設業の許可業種に関連した国家資格等を有すること

 この中で、最も多いのが国家資格等を有していることで建設業許可の要件を満たすパターンです。

 これから、建設業許可を取得する場合には、取得したい建設業の許可業種(29業種)に関連した国家資格等を取得しましょう。

常勤であること

 専任技術者(専技)は、常勤である必要があります。非常勤の法人役員や非常勤の従業員は、専任技術者(専技)にはなることができません。

専任であること

 専任技術者(専技)は、営業所に常勤して、専らその職務に従事している必要があります。そのため、次のような場合は、原則、専任とは認められません。 

  • 専任技術者(専技)の住所地が、勤務を要する営業所の所在地から著しく遠距離にあり、常識上通勤不可能な者
  • 他の営業所(他の建設業者の営業所を含む。)において、専任を要する者
  • 建築士事務所を管理する建築士、専任の宅地建物取引士等他の法令により、特定の事務所等において専任を要することとされている者
  • 他に個人営業を行っている者、他の法人の常勤役員である者等、他の営業等について専任に近い状態にあると認められる者

 また、専任技術者(専技)は、経営業務の管理責任者(経管)とは異なり、従業員であってもなることができます。

3 請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること

(建設業法第7条4号)

 建設工事の適正な施工を確保するためには、ある程度の資金を確保していることが必要です。

建設業法 第七条第四号(許可の基準)
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
四 請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していないことが明らかな者でないこと。

 建設業許可を取得する場合には、次のいずれかの要件を満たしているかを確認します。

一般建設業許可の場合

  • 自己資本の額が500万円以上であること
  • 500万円以上の資金を調達する能力を有すること

 500万円以上の資金を調達する能力については、取引金融機関の預金残高証明書で証明します。

4 適切な社会保険に加入(届出)していること

 2020年(令和2年)10月から施行された改正建設業法に伴い、建設業許可を取得するためには、適切な社会保険(医療保険、年金保険)、労働保険(雇用保険)に加入していることが必要となりました。

 事業所の形態、従業員の数、就労形態により、以下のとおり、加入が義務付けられています。

法人の場合

事業所の形態 従業員の数 就労形態 健康保険
(いずれかに加入)
年金保険 雇用保険
法人 1人~ 従業員 ・協会けんぽ
・健康保険組合
・適用除外承認を受けた国民健康保険
(建設国保等)
厚生年金 雇用保険
役員等 ・協会けんぽ
・健康保険組合
・適用除外承認を受けた国民健康保険
(建設国保等)
厚生年金
法人は健康保険・厚生年金保険に加入しなければならない

 法人の場合、従業員の人数に関わらず、原則、健康保険・厚生年金保険への加入が義務となっています。

法人の役員、取締役などは雇用保険に加入できない

 法人の役員や取締役は、労働者ではないため、原則、雇用保険に加入することはできません。
 そのため、従業員がいない取締役だけの法人の場合は、健康保険・厚生年金保険に加入していればいいということになります。

個人事業主の場合

事業所の形態 従業員の数 就労形態 健康保険
(いずれかに加入)
年金保険 雇用保険
個人事業主 5人~ 従業員 ・協会けんぽ
・健康保険組合
・適用除外承認を受けた国民健康保険
(建設国保等)
厚生年金 雇用保険
1人~4人 従業員 ・国民健康保険
・国民健康保険組合
(建設国保等)
国民年金 雇用保険
・国民健康保険
・国民健康保険組合
​(建設国保等)
国民年金
  • 健康保険における被保険者の年齢制限は70歳未満
  • 年金保険における被保険者の年齢制限は75歳未満(後期高齢者)
従業員が5人以上いる個人事業主は健康保険・厚生年金保険に加入しなければならない

 常時5人以上の従業員を使用する個人事業主は、原則、健康保険・厚生年金保険への加入が義務となっています。

5 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと 

 請負契約の締結や履行について、不正または不誠実な行為をするおそれがないことが要件になっています。

建設業法 第7条3号(許可の基準)
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
三 法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。

 わかりづらいですが、次のような行為です。

不正な行為の例

 請負契約の締結・履行の際に、詐欺・脅迫・横領などの法律に違反する行為

不正な行為の例

 工事内容・工期について、請負契約に違反する行為

6 許可申請者や役員等が欠格要件に該当していないこと 

(建設業法 第8条)

 許可を受けようとする者が、欠格要件に該当する場合には、建設業許可を受けることはできません。

建設業法 第8条
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。

欠格要件

  • 産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 建設業の許可を取りされ、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 建設業許可の取消しを避けるため、廃業の届出をした者でその届出の日から5年を経過しない者
  • 請負契約に関し不誠実な行為をしたことにより営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  • 許可を受けようとする建設業について、不正な手段をしたことにより営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 次の法律(※)の規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令が定めるもの
  • 暴力団員等がその事業活動を支配する者

(※)建設業法、建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法、職業安定法及び労働者派遣法、暴力団員による不当な行為の防止に関する法律違反、刑法第204条(傷害罪)、第206条(現場助勢罪)、第208条(暴行罪)、第208条の2(凶器準備集合罪)、第222条(脅迫罪)、第247条(背任罪)の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪

虚偽の記載や重要な事実の記載が欠けていると許可は受けられない

 許可申請書またはその添付書類に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合は、建設業許可は受けることができません。

許可を受けようとする者とは?

 許可を受けようとする者とは、法人の場合は役員、個人の場合は個人事業主本人、支配人をいいます。
 許可申請者や役員等全員が欠格要件に該当していないことが必要です。1人でも欠格要件に該当している場合は、建設業許可は取得できません。

まとめ

 以上6つが建設業許可を取得するための条件となります。最後にまとめておきます。

建設業許可取得の6つの要件

建設業許可を取得するためには、次の6つの要件を満たしていることが必要です。

  • 経営業務の管理責任者(経管)がいること
  • 営業所ごとに専任技術者(専技)を配置していること
  • 請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  • 適切な社会保険に加入(届出)していること
  • 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

  • 許可申請者や役員等が建設業法に定める欠格要件に該当していないこと

建設業許可の取得をお考えであれば

行政書士大槻翼事務所代表の大槻です。
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 当事務所では、建設業に関する許認可手続きを専門としているため、毎月多くの建設業許可の事例に触れています。

「すべてはお客様のために」代表自ら建設業許可の取得まで行います。大切な時間というコストを無駄にしないためにも、ぜひ建設業手続きの専門家にお任せください!

 

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