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【建設業許可】特定建設業の許可が必要になるケースとは?

「一般建設業の許可を取得したら、いくらまで請け負うことができるの?」「そろそろ特定建設業の許可も取得したほうがいいかな?」という質問がよくあります。

本記事では、特定建設業の許可が必要になるケースについて、解説していきます。

特定建設業の許可は取らなくてもよかったという場合もあれば、逆に本当は特定建設業の許可が必要だったという場合もありますので、しっかりと確認しておきましょう。

特定建設業の許可とは

建設業許可の区分は、「一般建設業」と「特定建設業」に分かれています。

「一般建設業」と「特定建設業」については、下請に出そうとしている工事の額により、区分されます。

「特定建設業」の区分に当たらないのであれば、「一般建設業」の許可を取得していればいいので、「特定建設業」が必要になるケースをおさえておく必要があります。

 

特定建設業の許可が必要となるケースは、以下のとおりです。

発注者から直接請け負う1件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(下請契約が2以上あるときは、下請代金の総額)が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる下請契約を締結して施工しようとする場合

※下請契約の締結にかかる金額は、令和5年1月1日から次のとおり引き上げられました。

建設業種

~令和4年12月31日
(従来)

令和5年1月1日~
(現行)
建築一式工事以外 4,000万円 4,500万円
建築一式工事 6,000万円 7,000万円

これだけだと少しわかりづらいので、かみくだいて説明していきます。

特定建設業の許可が必要になるのは元請だけ

特定建設業は、「発注者から直接請け負う1件の建設工事につき」ということで、元請のみが対象となる許可です。

下請業者として、工事を請け負っている場合は、特定建設業の許可は必要ありません。

下請業者であれば、一般建設業の許可をもっていれば、金額の上限なく請け負うことができます。

請け負う金額が大きくなったら、特定建設業の許可が必要になる、というわけではないので勘違いしないようにしてください。

特定建設業は、元請が対象となる許可なので、下請業者として請け負う場合は関係ないです。

下請代金の額がポイント

元請が発注者から工事を請け負い、自社で施工しない部分については、下請に発注することになるかと思います。

特定建設業の許可は、この下請に出そうとしている工事の額によって、必要か否かが決まってきます。

そして、その金額は、許可業種によってかわります。

建築一式工事以外:4,500万円(税込)

建築一式工事  :7,000万円(税込)

 

なお、元請が発注者から直接請け負う金額に制限はありません。

元請が提供する材料費は含まない

下請に出そうとしている工事の額には、元請が提供する材料費は含まれません。

※建設業許可が不要な「軽微な建設工事」かを判断するための基準となる建設工事の請負金額500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)には、元請が提供する材料費は含めて考えるので、間違えないようにしましょう。

下請契約が2つ以上ある場合はどうする?

下請契約が2つ以上になる場合は、どのように考えればいいのでしょうか?

下請契約の額を4,500万円未満となるように、2社、3社に分散させて下請に出せば、特定建設業の許可がなくても大丈夫ということになるのでしょうか?

答えは、Noです。

特定建設業の許可は、「下請契約が2以上あるときは、下請代金の総額」で判断します。

分散して下請に出したとしても、その下請代金の総額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる場合は、特定建設業の許可が必要となります。

(例)発注者から1億円の建築一式工事を直接請け負い、次のとおり、下請に発注するケース

   下請A社:4,000万円(税込)

   下請B社:2,000万円(税込)

   下請C社:2,000万円(税込)

⇒下請に出そうとする金額の合計が、8,000万円(内訳:下請A社4,000万円+下請B社2,000万円+下請C社2,000万円)となり、下請に出そうとしている工事の総額が7,500万円(建築一式工事業の場合)以上であるため、特定建設業の許可が必要ということになります。

同一の許可業種で、「一般」「特定」の両方の許可は取れない

同一の許可業種で、一般建設業と特定建設業の許可が両立することはありません。

例えば、土木一式工事業の一般建設業許可をもっていた会社が、下請に出す金額が大きくなったため、特定建設業の許可を取得した場合は、もともともっていた土木一式工事業の一般建設業許可は効力を失います。

同一許可業種で、「一般」「特定」の許可の両立がないだけなので、土木一式工事業は「特定」、とび・土木・コンクリート工事業は「一般」ということはあります。

まとめ

特定建設業の許可が必要なケースについて解説しました。

ポイントは、以下のとおりです。

  • 特定建設業の許可が必要なのは元請だけ
  • 下請に出そうとする金額の合計で判断する
  • 元請が提供する材料費は含めないで下請代金の額を判断する

もし、発注者から直接請け負っている元請の立場で、下請に出そうとする金額が大きいという場合は、特定建設業の許可が必要になるかもしれないので確認してみましょう。

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行政書士大槻翼事務所代表の大槻です。
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