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定款の事業目的を決めるときの注意点【記載の4つのポイント】

会社を設立するときには、「事業目的」を決める必要があります。

会社として、何をやりたいのか、事業内容を簡潔にまとめて、定款(会社のルール)に記載します。

事業目的とは

事業目的とは、会社が行う事業内容を対外的に示すものです。

そのため、定款の事業目的を決めるときにはいくつかルールがありますし、記載するときのポイントもあります。

本記事では、これから会社を設立しようと考えているけれども、どんなことに気をつけて事業目的を定款に記載すればいいのかわからない方に向けて、ポイントをおさえてご説明いたします。

 

事業目的を決めるときの3つのルール

事業目的を決めるときには、下記のとおり、3つのルールがあります。

これをおさえておかないと、そもそも定款として認証されないおそれもありますのでしっかりとクリアしておきたいところです。

  • ルール①適法性:公序良俗に反する事業目的は認められない
  • ルール②営利性:営利目的の組織として事業目的を決めること
  • ルール③明確性:一般の人が理解できる明確な表現にすること

 

1つずつ解説していきます。

 

ルール①適法性:公序良俗に反する事業目的は認められない

公序良俗とは、民法第90条で下記のとおり規定されています。

民法第90条
(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

簡単にいうと、「一般的・常識的に考えてしてはいけないこと、みんなの迷惑になるようなことはしてはいけないですよ。そういうことをした場合は、無効ですよ。」ということを条文化したものになります。

簡単にといっておきながら、非常に抽象的ですね。

一般的とか、常識的とか、時代がかわれば変わるものだと思いますし、人それぞれ考え方は違うので、とらえ方によっては、問題なかったり、アウトになったりしそうです。

とはいえ、会社の事業目的として、極端におかしいと思われるような事業内容とかでない限り、定款の認証はされますので、あまり気にする必要はないのかなと思います。

一度、周りの人に事業内容を確認してもらうといいです。

ルール②:営利性:営利目的の組織として事業目的を決めること

会社は、営利を目的とした組織になります。社会貢献活動をしている、雇用創出のためにやっているというのもあるかとは思いますが、基本的には売り上げを追及していくことになります。

そのため、事業目的がボランティアであったり、寄付活動であったり、営利を目的としない事業内容にはすることはできません。

営利を目的とした組織なりの事業目的とする必要があります。

もし、事業目的として、利益を追求しない組織とするのであれば、株式会社または合同会社ではなく、NPO法人(非営利組織)を設立するという方法があります。

ルール③:明確性:一般の人が理解できる明確な表現にすること

事業目的が記載されている登記簿は誰でも取得することができます。

そのため、事業目的は一般の人がみても理解することができるように明確な表現で記載する必要があります。

例えば、「RC造の建築一式工事」という事業目的だと一般の人が理解できない場合もあるので、「鉄筋コンクリートの建築一式工事」というように、表現をかえてあげる必要があります。

建設業での例を挙げましたが、どの業界であっても、業界外の人がわかるような表現にすることが大事になります。

 

事業目的を記載するときの4つのポイント

上記であげた事業目的を決めるときの3つのルールをおさえた上で、記載するときのポイントをご説明いたします。

ポイントは下記の4つです。

  • ポイント①:一番初めに本業を記載する
  • ポイント②:将来的に行う可能性がある事業も記載する
  • ポイント③:事業目的は多くても10個程度にする
  • ポイント④:許認可が必要となる事業は事業目的の文言は具体的に記載する

 

それでは1つずつみていきましょう。

 

ポイント①:一番初めに本業を記載する

会社の登記簿を閲覧して事業目的がいくつか記載してあったとしたら、最初に目にするのが一番初めに記載している事業目的の内容となります。

そのため、一番初めの事業目的は会社の本業を記載するようにしましょう。

分かりやすく、きちんと整理して書くことが大事です。

重要な事業目的であっても、順番に統一性がなかったり、文言の具体性がなかったりすると、何をやっている会社なのかわからず、不信感を与えてしまいます。

本業はなにか、事業目的の中でも重要としている内容はなにか、丁寧に整理し、分かりやすい文言で記載するようにしましょう。

 

ポイント②:将来的に行う可能性がある事業も記載する

事業目的には、原則、現時点で行っている事業の内容を具体的に記載していれば問題ありません。

とはいえ、会社で事業をしていると、状況が変わって、新たな業務をすることになったり、業務の比重がかわったりすることも多くあります。

予想していなかった業務の場合もあるかと思いますが、将来的に行う可能性があったという業務もあるかと思います。

会社設立後に定款や登記事項を変更する場合は、費用がかかってしまいます。

そのため、将来的に行う可能性がある事業であれば、最初から事業目的に記載しておくといいでしょう。

 

ポイント③:事業目的は多くても10個程度にする

上記で将来的に行う可能性がある事業であれば、最初から事業目的に記載しておくといいのですが、多すぎるとあまり印象は良くありません。

というのも、登記簿の事業目的をみたときに数十個の事業目的が箇条書きされていたら、何をやっている会社なのかわからないということがおきてしまうからです。

いろいろやっているというのは、どれも中途半端にやっているとみられてしまうかもしれません。

ここでもやはり、本業としてやっていることはなにか、重要としている事業の内容はなにか、そして将来的に行う事業を整理して記載することが必要となります。

また、事業目的が多すぎると、金融機関から創業融資の審査が通りにくくなるというおそれがあります。

何をやる会社なのか、一目でわかるようにしておくことは、資金調達の面でも非常に重要になってくるので慎重に考えるようにしましょう。

事業目的は多くても10個程度にまとめることをおすすめします。

多くの会社の事業目的をみてみても、10個程度で整理されているところがほとんどです。

 

ポイント④:許認可が必要となる事業は事業目的の文言は具体的に記載する

会社設立後、事業をするうえで行政の許認可が必要となる場合は非常に重要なポイントになります。

それは、許認可の申請をするときに、対応した事業目的が入っていないと、許認可を受けることができない場合があるからです。

例えば、建設業許可であれば、取得したい建設業種の請負工事を行っていることがわかる事業目的としなければなりません。

ただ単に事業目的に「建設業」と記載されていればいいというものではないのです。

許可行政庁によっても判断は異なるので、会社設立後、許認可を取得する予定があるのであれば、事業目的の記載内容について確認しながら手続きを進めることをおすすめします。

また、対応した事業目的を書いているつもりであっても、明確でなかったり、具体的でなかったりする場合も許認可を受けることができないことがありますので注意するようにしましょう。

 

定款を変更する場合は登記をし直す必要がある

もし、会社設立後、事業目的を増やしたり、定款の内容を変更したりする必要が生じた場合は、登記をし直さなければなりません。

つまり、登記費用がかかってしまうということです。

無駄な登記費用の負担が発生しないよう事前にしっかりと内容を固めておきたいところですね。

 

まとめ

事業目的一つをとっても、許認可の取得や創業融資の審査、対外的な社会信用性に大きく関わる重要事項であることがわかります。

当事務所では、会社設立の手続きだけでなく、その後の許認可手続き、会社経営を有利に運ぶための助言を行っております。

また、資金調達の支援や補助金情報などの提案、税理士や社会保険労務士などの専門家のご紹介もトータルでサポートいたします。

会社設立後、行政の許認可の取得も考えている場合は、ぜひお気軽に当事務所にご相談ください。

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